南洲翁遺訓 第7条
原文
事大小と無く、正道を踏み至誠を推し、一時の詐謀を用う可からず。人多くは事の指支ふる時に臨み、作略を用て一旦其の指支を通せば、跡は時宜次第工夫の出来る様に思へども、作略の煩ひ屹度生じ、事必ず敗るるものぞ。正道を以て之を行へば、目前には迂遠なる様なれども、先に行けば成功は早きもの也。
現代語訳
どんな大きい事でも、小さい事でも、いつも正しい道をふみ、真心をつくし、一時の策略を用いてはならない。人は多くの場合、難しい事に出会うと、何か策略を使ってうまく事を運ぼうとするが、策略した為にそのツケが生じて、その事は必ず失敗するものである。正しい道を踏み行う事は、目の前では回り道をしているようであるが、先に行けばかえって成功は早いものである。