南洲翁遺訓 第32条
原文
道に志す者は、偉業を貴ばぬもの也。司馬温公は、閨中にて語りし言も、人に対して言うべからざる事、無しと申されたり。独を慎むの学推して知る可し。人の意表に出て、一時の快適を好むは、未熟の事なり、戒む可し。
現代語訳
正しく道義を踏みおこなおうとする者は、偉大な事業を尊ばないものである。司馬温公(中国北宋の学者)は寝室の中で妻と密かに語ったことも他人に対して言えないような事は無いと言われた。独りを慎むと言う事の真意は如何なるものであるかわかるでしょう。人をあっと言わせるような事をして、その一時だけ良い気分になることを好むのは、まだまだ未熟な人のする事で、十分反省すべきである。